puku pukuの会

PUKUの会

PUKUの会は、アフリカのケニアとザンビアの国立公園で生態調査活動を行ったJICA青年海外協力隊帰国隊員 OBが集まって始めた会です。国立公園は野生動物の保護区で、世界中からサファリツアーの観光客が訪れています。当会ではこうしたアフリカの野生生物保護に関する生きた情報の蓄積、関連職種の隊員や専門家との連携、これらの国からの研修生との交流などを行う事を目的としています。また現地の野生生物保護当局や関連団体との連携も目指しています。

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密猟との戦い

   

アフリカでは象牙やサイのツノを狙った密猟が現在でも多発しています。象牙やサイの角は装飾品の材料や漢方薬の原料として世界各国で高い値段で取引されていますが、ケニアではこれを国として禁止しています。

この野生生物保護策はケニアが英国から独立する以前の19世紀末、当時の英国植民地政府が「東アフリカ狩猟法」を制定したことに始まっています。これは入植者や旅行者が増加したことで、「野生動物狩り」を目的としたレジャーが流行、獲物となる野生動物の減少が危惧され始めたためです。このとき、許可なく動物を狩猟してはならないという法がケニア(当時の英国植民地)で発効されたことになります。

サイのツノ サイのツノ象牙 象牙

1946年にはナイロビ国立公園が設置され、それと共に国立公園内で居住はもちろん農耕、牧畜などの行為や狩猟などの捕獲行為を禁止する「国立公園法」が制定。1977年には国立公園内だけでなく、ケニアの全国内で一切の無許可狩猟を禁止とする「野生生物保全管理法」が施行されました。

1989年7月、ケニアのモイ大統領は、象牙取り引き全面禁止を世界に呼びかけるため、ナイロビ国立公園でこれまでケニア国内に保管されていた象牙およそ12トンをすべて焼却し、動物の犠牲の上に人々が富む事を禁止する誓いを立て、密猟者に命を奪われた動物たちのため、ナイロビ国立公園の中に碑を建立したのです。

ナイロビサファリパークの記念碑   
ナイロビ国立公園にある象牙焼却の記念碑

ケニアの国立公園を管理する機関 Kenya Wildlife Service (KWS)には、密猟者や密売者、密売買行為の取り締まりと捜査に従事する専門部署も存在しています。毎年、KWSでは勤務中に命を落とした職員のために殉職者慰霊祭(ヒー ローズ デー)を催しています。ケニアでは今日でも多くの職員たちが密猟者との戦いの中で倒れているのが現状です。

ヒーローズディ
              殉職者慰霊祭(ヒー ローズ デー)

2015年3月3日、国連の定めた「世界野生生物の日」に合わせ、ケニアではこれまで密猟者や密売人から押収した象牙15トンを焼却しました。また年内にすべての押収した象牙と象牙製品を処分すると初代大統領の息子に当たるケニヤッタ大統領は発表しています。

ケニア野生動物管理局